カップ in Sweden

コーヒーやカフェラテなどを飲むときに使用するカップ&ソーサー。

当店で使用しているカップ&ソーサーにはいくつか種類があり、注文の内容やタイミング、気分などによって使い分けています。

 

そのなかのひとつに上の写真のRorstrand(ロールストランド)というスウェーデンの陶磁器メーカーのものがあります。

 

これらは以前、北欧を旅した際に購入したものなのですが、今回はこのコーヒーカップ&ソーサーのお話をします。

話に入る前に・・・北欧雑貨って素敵ですよね。
日常生活に寄り添ったシンプルで機能的なデザインが多く、暮らしのスタイルやさまざまなシーンに合わせやすくてとても好きです。


私はヴィンテージなどに特別詳しいわけではありませんが、インテリアやテーブルウェア、置物などを探している際、気付くと北欧デザインのものを手にしていることが度々あります。

 

以前、北欧を旅した時はそれらを現地で買い物することを目的の一つとし、蚤の市やアンティークショップなどを巡って北欧雑貨の掘り出し物を買い物して来ました。

スウェーデン・ストックホルムの旧市街「ガムラスタン」。石畳の路地に風情のある建物が並ぶ。

スウェーデンの首都ストックホルムの中心地からほど近くに、ガムラスタンという世界的に有名な観光スポットがあります。

 

中世の街並みが残された旧市街エリアで、大聖堂や王宮を中心に石畳の細く曲がりくねった路地が張り巡らされ、その両脇に趣のある建物が所狭しと立ち並んでいます。カラフルで可愛らしい建物にはカフェや雑貨屋などが入り、どこを切り取っても絵になるような美しい街並みで、おとぎ話の世界に迷い込んだような不思議な気持ちになるようなところです。

ガムラスタンの中心部に位置するストールトルゲット広場(Stortorget)。目の前の広場ではクリスマスマーケットの準備が始まっていました。
ガムラスタンにはこのような路地裏の小道が張り巡らされている。
トンネルになってる小道などもあったり、歩き回るだけで楽しい。

そのガムラスタンを観光し、ひと通り歩き回って水辺のベンチに座ってコーヒーを飲みながらぼーっと休み、そろそろホテルに戻ろうと歩いていた時にふと目に止まったアンティークショップに立ち寄りました。

 

店内にはヴィンテージの食器の数々がびっしりと積まれ、目移りしながら物色。ホテルに戻る前だったので、買い物する気満々。なんとなくピンと来て手に取ったのが上の写真のカップ&ソーサー、花柄のRorstrandのNEVADAでした。

 

カップのデザインも良いし、スタッキングできるフォルムも気に入って、お値段も手の届く範囲。店主のおじさんに「これが欲しい」と伝えたところ、笑顔で「グッドチョイス!」と言われました。

 

他にも個人的に好きな北欧食器ブランドのArabia(アラビア)やGustavsberg(グスタフスベリ)あたりで物色を続けていい買い物ができました。

 

とはいえ陶器の買い物は、旅の最中にすると荷物が大変です。重いし嵩張るし、割れ物なので、慎重にしなければならなりません。なので、日中に観光と併せて買い物するのは得策ではありません。買い物をするなら、買い物用の予定をきちんと立てた方がいいですね。

 

この時はおじさんが丁寧に梱包してくれたお陰もあり、無事にホテルに持ち帰ることができました。

ストックホルム市街からバスで移動した郊外にあるグスタフスベリの港町。この門をくぐった先に工場直売所などのエリアがある。

そして別の日・・・買い物予定日としてスケジュールしていた日に、ストックホルムから少し離れた郊外にあるGustavsberg(グスタフスベリ)に行きました。そこにはGustavsbergの工場直売所とIittala(イッタラ)のアウトレットショップがあるので楽しみにしていました。

 

直売所には復刻版やB級品なども含めて、数々の見たことのある食器たちや北欧雑貨などがずらっと並んでいました。お土産にスティグ・リンドベリのティーカップ&ソーサーや、リサ・ラーソンのライオンちゃんを購入したりしました。

その直売所の裏手の方に歩いて行くと、Iittalaのアウトレットショップがあります。ここは先ほどのグスタフスベリの直売所よりも広くて、たくさんのイッタラグループ(ロールストランドやアラビアなど)の食器類が置いてありました。

 

当店で使用している食器類のいくつかはこちらで購入したものがあるのですが、今回は割愛して表題のコーヒーカップ&ソーサーの話。

 

ヴィンテージコーナーを見ていたところ、うちの店に似合いそうなフォルムとシンプルなラインデザインが素敵なカップ&ソーサーを発見。裏を見てみるとRorstrandとあり、価格も手の届くものだったので購入しました。

店内の棚に鎮座しているリサ・ラーソンのライオン。 奥の魚の置物はデンマークで買ったロイヤルコペンハーゲンのフラワーベース

ホテルに戻って、日本に送るための荷造りをしてる時にふと気付きました。


「ガムラスタンのアンティークショップで買ったカップ&ソーサーとグスタフスベリで買ったカップ&ソーサー、そっくりじゃない?」

 

もちろん、メーカーが同じことは分かっていましたが、フォルムが似過ぎている。
試してみると、ピッタリとスタッキング出来ました。

 

これは何かあるぞと調べてみると、この二つは兄弟のようなものらしく、花柄の方がNEVADAといい、シンプルな線の方はSIERRAというシリーズだそうです。


よく見るとNEVADAの方は大きめな花模様がラインで描かれている個性的な作品で、発売当時にSIERRAシリーズのソーサーとセットで販売されていたものだそうです。どおりでそっくりでピッタリだったわけです。

 

狙って買ったわけではなく、たまたま出会って惹かれて購入した2つのカップ&ソーサー。

 

同じデザイナーによって生み出され、兄弟のような縁で繋がっていたその子達が、それぞれの場所で買い物に来た私を呼んでくれた結果、なぜか今は一緒になってスウェーデンから遠く離れた日本で使われている。

 

縁って面白いなぁと思うのです。

 

人にもモノにもいろんなストーリーがありますね。

 

元々の持ち主はどんな人だったのでしょうか。

 

ノウノウカフェでコーヒーを飲んでる皆さんも、彼ら(カップ&ソーサー)を使った者の一人として彼らのストーリーに刻まれていってるはずです。